スターリィマンと旅する沖縄の原風景「座喜味城跡」

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スターリィマンと旅する沖縄の原風景
「座喜味城跡」〜沖縄県読谷村〜

絵 はせがわいさお お話 はせがわ芳見

第6話 座喜味城跡での出会い

スターリィマンと私は
読谷村にある座喜味城跡を訪れました

木漏れ日のさす琉球松の林を抜け
見上げると 澄み切った青空に
大きな翼を広げた鷹がゆっくりと舞っています

「ようこそ!我が主君
護佐丸様の居城・座喜味城へ」

喜び歓迎してくれた鷹は
護佐丸様の事を語り始めました

護佐丸様のご先祖様は
元々は今帰仁城主でした

しかし 北山王に破れ南へと逃れて
山田城読谷山按司(あじ)となり
その子孫として護佐丸様が
お生まれになりました

護佐丸様は幼き時より
争いのない豊かな国を
願っておられた方でした

中山の尚巴志王が琉球統一を目指した
北山征伐の戦いの際にはいち早く合流し
総大将として北山を落とした護佐丸様は
尚巴志王の絶大の信頼を受けた武将でした

琉球王国建立後は
今帰仁城の監視役となり
その後 尚巴志王の命を受け
この地に座喜味城を築かれたのです

では お二人を城内へとご案内致しましょう!

ここ座喜味城は
美しい曲線が特徴的で
護佐丸様は名城築家としても
名高いお方です

ご覧ください
このアーチの石門は
沖縄で現存する最も古い石門です

座喜味城は戦に備えた
軍事要塞として建てられたため
石門の強度を補強するために
くさびが打ち込まれています

しかし 琉球王府の命で
お隣の中城城へ最後の任務を
果たされに参るまでに過ごした
18年余りの間 座喜味城では
一度も戦が行われることはありませんでした

それは 武将として生きる護佐丸様の
生涯の中で唯一 平和な時間だったのです

城壁の向こうには
東シナ海に浮かぶ慶良間諸島
久米島 伊江島 伊平屋諸島が眺望できます

「護佐丸様は毎日この風景を望みながら
民と共に戦いのない平和で豊かな国を
築こうとしていたのね
鷹さん 教えてくれてありがとう!」

「こちらこそ ありがとう
これからも私たちは護佐丸様が
この地にのこされた平和の心を繋いで参ります」

続く・・・

スターリィマンと旅する沖縄の原風景(第6作目)
「座喜味城跡」(M20号キャンバス)
絵  はせがわいさお
お話 はせがわ芳見